コンタクトレンズに付着した汚れは、さらにアレルギー性結膜炎を起こしたり悪化させるという悪循環を起こします。したがって汚れが付着しにくいレンズを選択し、毎日適切なレンズケアを行ってコンタクトレンズをきれいに保つ必要があります。
一般に酸素透過性の高いハードコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズではレンズに汚れがつきやすい傾向があります。
ケア用品も種類によって汚れ落ちのよい製品とそうでない製品があるので、眼科医の指示に従います。クリーナーによるこすり洗いに加えて、たんぱく質の除去剤を使用したケアを行わなければなりません。
最近、こすり洗い不要の簡便なつえおきタイプのケア用品が売られていますが、これらの製品では汚れが十分に落ちないものも多いので使用を控えます。適切なレンズケアを行ってもコンタクトレンズに汚れが付着した場合は、一部のメーカーを除くハードコンタクトレンズでは磨くことによって汚れを除去します。ソフトコンタクトレンズは破れやすい材質なので磨いて汚れを除去することはできません。ソフトコンタクトレンズの消毒方法として煮沸をしている人がいますが、煮沸消毒はレンズが劣化しやすくアレルギー性結膜炎を起こしたり、悪くしたりすることがあります。
このような場合には、化学消毒にしたほうがよいでしょう。またソフトコンタクトレンズについては汚れが蓄積する前に早くレンズを交換するという考え方から使い捨てコンタクトレンズのタイプや2週間以内で定期的に交換するレンズを選択したほうがいいでしょう。そしてコンタクトレンズ装用時には、分泌物を洗い流す目的で涙に近い成分の目薬を点眼します。
アレルギー性結膜炎のある人は、レンズの汚れによって目が乾きやすくなるのでこの意味においても涙に近い成分の目薬をさすメリットはあります。
アレルギー性結膜炎に対する治療薬としての点眼も必要としますが、これらについては眼科医の指示に従います。
→コンタクトレンズトラブルを防ぐ〔効果のあるケア用品〕
コンタクトレンズによるアレルギー性結膜炎の症状
■初期ごく軽度の充血とかゆみがみられ、これは特にコンタクトレンズを外したときに多い。
■軽症
めやにが多くなり、このためコンタクトレンズが曇り夕方になると異物感や視力低下
を自覚するようになる。しかし患者さんの多くはこれらの症状を気にしない。
中等症
糸をひくような目やにがさらに増加しコンタクトレンズの汚れは著明になりかゆみや
コンタクトレンズの異物感、視力低下もひどくなる。またまばたきをすると、
コンタクトレンズが上方にずれやすくなる。
■重症
目やにやかゆみ、コンタクトレンズの異物感はより著明になりコンタクトレンズの
装用も困難になってくる。